奈良を一人で歩いた日~自由に歩けるという特権~

日記

心療内科の面談のあとに

心療内科の面談で、

「たまには外に出て、景色や美味しいものを楽しむのもいいですよ」

と言われた。

その言葉をきっかけに、久しぶりに奈良へ行くことにした。

電車に乗って奈良へ。

……のはずが、電車を1本乗り損ねた。

まあ、今日は急ぐ日じゃない。

そんなスタートだった。


奈良公園の匂いと鹿

奈良公園に着くと、少しだけ獣っぽい匂いがした。

「ああ、奈良だ」

その瞬間、そう思った。

鹿は相変わらず自由だった。

ぼーっと眺めていたら、スマホを見ていたせいか、軽くつつかれた。

たぶん鹿からしたら、「鹿せんべい持ってる?」くらいの感覚なんだろう。

角のある鹿にも会った。

鳴き声も聞いた。

修学旅行の中学生もいたけど、思ったより人は多くない。

ゆっくり歩ける。


東大寺の大仏を見上げる

東大寺へ向かう。

金剛力士像の迫力に圧倒され、大仏を見上げる。

大きい。

それ以上の感想はいらない気がした。

ただ見上げるだけで十分だった。


二月堂の静けさ

正倉院を通り、二月堂へ。

この辺りから、空気が変わる。

静かだ。

鳥の声がよく響く。

風も気持ちいい。

今日いちばん好きだった場所かもしれない。

若草山は残念ながら閉山中だった。

でも、そういう日もある。


春日大社へ続く森の道

春日大社へ向かう道は、森っぽくなっていくのが良かった。

歩いているうちに、付き合い始めの頃、妻とここへ来たことを思い出した。

当時は植物園に行った。

妻の足の小指が骨折していたことを、なぜかよく覚えている。

同じ場所でも、一人で歩くのと、誰かと歩くのでは、時間の流れ方が違う。


夜の灯籠を見ながら思ったこと

夜の灯籠の再現もやっていた。

静かに揺らめく明かりが綺麗だった。

その景色を見ながら、ふと思った。

一人旅の特権は、自由に歩けることだ。

立ち止まってもいい。

引き返してもいい。

予定を変えてもいい。

誰にも合わせなくていい。

今日は、そんな日だった。


完璧じゃない奈良

浮見堂に行くと、池の水がなかった。

興福寺の五重塔は修理中だった。

完璧な観光ではない。

でも、この時しか見られない奈良だった。


興福寺の国宝館で感じたこと

興福寺の国宝館にも入った。

千手観音像と阿修羅像が圧巻だった。

いろんな仏像を見ていて思ったのは、

木彫りなのに、布のように柔らかく見える不思議さだった。

木なのに、柔らかそうに見える。

ずっと見ていられるような感覚があった。


猿沢池とラーメン

最後は猿沢池へ。

ここはちゃんと水があった。

そのあと、神座ラーメンを食べて、柿の葉寿司を買って帰宅。

歩き疲れた。

でも、いい疲れだった。


家に帰ってから

家に帰って、入浴剤を入れたお風呂に入る。

体がゆるむ。

今日はいろいろ歩いたな、と思った。

鹿の匂い。鳥の声。森の空気。静かな灯籠。ラーメンの湯気。

そんなものを思い出しながら、ゆっくり眠った。


今日の一言

一人旅の特権は、自由に歩けること。

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